●こけら落としでダルマ落とし (2001.05.23掲載)
【社長のひとり言《Classic》】
2001年5月19日(土)、鹿島へ行って来た。
W杯用に改修されたカシマスタジアムのこけら落としの試合だ。
試合前のセレモニーでは鹿嶋市長をはじめ、地元の衆議院議員、県会議員、市議会議員、もちろんJリーグのチェアマンもやって来て、それはそれは華やかに行われた。
テープカットも皆さん一緒にカット。
新スタジアムは、そりゃデカくてキレイなんだけど、造りそのものは余りうらやましいとは思わなかった。
ただ、地元の鹿嶋市民が約3万6千人も集まって、新スタジアム完成を喜んでいるわけでしょう・・・。
それが、うらやましい。
おそらく新スタジアム建設の為に、地元の議員が相当動いたと思うんだよ。
またまた、それがたまらなくうらやましい。
なんで、人口30万人の柏市で、専用スタジアムを作ろうという先生がいないのか?
「問題は金」なんて言うけれど、それだけじゃないよ。
改めて柏市のサッカーに対して、いや、スポーツ文化に対しての意識の低さをしみじみと感じたよ。
人間形成の上でスポーツの大切さを、もっと考えてもらいたいよ。
そりゃ、ゴミ焼却場や常磐新線も大事なんだろうけどよ・・・。
また同時に柏市民にも訴えたい。
テメエの住んでいる街に、プロサッカーチームがあるという幸せを感じてもらいたいな。
なんかさぁ、まあ全部が全部ってわけじゃないんだろうけど、鹿島って所はさ、市全体で新スタジアム完成を喜んでいるって感じがしたんだよな。
そう思うと、柏市ってちょっと寂しいよな。
さて、気分を変えて、こけら落しでの出来事を紹介します。
題して『またまた落ちてしまったUさん(仮名)』
このUさん、ヒゲ面に眼鏡の風貌から通称「ヒゲだるま」と呼ばれている。
今回は、このヒゲだるまさんのお話しです。
それは、試合後半、同点に追いつたその矢先です。
彼は、喜び勇んで最前列の手摺りまで走り、またがったのです。
しかし、勢い余って、そのまま約2m下のピッチまで、ドスンと胸から落下。
その瞬間、雨で濡れたピッチから水しぶきが3mは上がり、我々の頭にかかったのです。
バッシャーン。
彼の眼鏡のレンズが割れ、打ち所が悪かったのか、体がくの字に曲がっているではありませんか。
走りよる警備員に首根っこをつかまれながら、
「だれかが、だれかが押したんだって、俺は悪くネェ・・・」
と山形なまりで必死のいい訳も通用せず、そのままどこかに連れていかれました。
俺はたまたま、落ちる瞬間を見ていました。
確かに、ヒゲだるまさんが言うように押した奴がいました。
というより、そいつがつまづいて、つんのめった所にヒゲたるまさんがいたというのが正しい表現でしょう。
これはサッカーの流れの中での出来事ですから、どうしょうもないでしょう。
防ぎようもなく惨劇は起こってしまったのです・・・。
その犯人も動揺したのでしょう。
「何やってんですか、あんた、人が落ちたじゃないですか・・・」と横に居た警備員につめよる始末。
自分で押したんジャン・・・。
でもヒゲだるまさん、許してやってね。わざとじゃないから。
でも、本当に良く落ちるなぁ・・・この人は・・・。
スタンドから落っこちるの、今回が始めてじゃないんだよ。
もう何回目だろう・・・、数を数えたら切りがないくらい。
大げさでなく、とにかくよく落ちるのよ。
まぁ、2、3代表的な例を書くわ。
日本がW杯初出場を決めた地、そうマレーシアのジョホールバル。
外国のスタジアムだぜ。
そこでピッチに落下したのだ。
いや、落下というより、その時は確信犯的に乱入したのだ。
岡野のVゴールで試合が決まり、スタジアム中の観客がピッチになだれ込む、とヒゲだるまさんは思ったのであろう。
いち早く金網を越え、ピッチになだれ込んだヒゲだるまさんは、素早く駆け寄ってきた警官3人に羽交い締めされ、一瞬のうちに身動きの取れない状況になってしまった。
さらに、両腕をしっかり押さえられた状態のまま警棒でタコ殴りにあったのだ。
一緒に行っていて、その現場を見た連中が曰く、まるで、W杯初出場おめでとう・・・ということで、気をきかせた現地の警官が、日本の伝統芸である和太鼓の乱れ撃ちのパフォーマンスを、選手やサポーターに見せて歓迎しているんだと思ったんだって。
でもね、良く見ていると、その和太鼓から
「誰かが、誰かが押したんだって、俺は悪くネェ・・・」
という山形なまりの声が聞こえてくるではありませんか。
そうヒゲだるまさんですよ。
彼は眼鏡が壊れて、服もボロボロ、体はくの字に変形。
そのまま、ズルズルと引きずられながら警察に連行となった。
その後、4時間みっちりしぼられて釈放。
ホテルに戻ってからも、
「誰かが、誰かが押したんだって、俺は悪くネェ・・・」
と山形なまりで繰り返し、誰に聞かせるでもなく朝までつぶやいていたそうだ。
また、一昨年のシドニー五輪予選。超満員の国立競技場だよ。
日本に点が入るやいなや、ゴール裏の中央通路の手摺りにまたがろうした。
ところが、勢い余って手摺りから転落。
そのまま5〜6列下の客席まで転がり落ちてしまったのよ。
当然、そこにいた客は怒るわ。
そりゃーそうだよね、彼女と一緒にサッカー観戦としゃれ込んでいたら、いきなり上段からヒゲだるまさんが落ちてきたんだから。
「何しやがるんだ、このヤロー」という声がするないなや、集団リンチ状態。
5分後、眼鏡は壊れ、服はボロボロ、体はくの字に変形したヒゲだるまさんが通路に放り出されていた。
その時も、
「誰かが、誰かが押したんだって・・・、俺は悪くネェ・・・」
と山形なまりでつぶやいていたのよ。
かわいそうに虫の息だった。
そして最後にもう1つ、やはり国立競技場の日韓戦。
日本が点を獲って喜ぶ我々は、皆でヒゲだるまさんを胴上げしたのよ。
もちろん試合中の国立競技場のゴール裏で・・・。
しかし、勢い余って落としちゃったのよ。
グッシャって音がして、胴体はうつぶせ状態なのに、顔は空を見上げてんだから、もうオカルトの世界だよ。
いつも温厚で、怒った顔を見た事ないヒゲだるまさんだったが、さすがに、その時は怒ったね。
「下、コンクリートなのに・・・、頭打ったら死んじゃうんだからねぇ・・・」
と山形なまりで必死に訴えてたらしいんだけど、日本が五輪出場を決めた、おめでたい席でのことなのだから、そんなにムキになるなって逆に怒られちゃったのよ。
※本当に危険だから良い子はマネしないでように。
どんなにズタボロにされてもサッカーが好きなんだよな。
落ちても、落ちても、また来るんだよ。
やさしい人だよ、ヒゲだるまさんって。
だから、みんな好きなんだよ、あなたの事が・・・。
ゴール裏に欠かせないスタントマン、Uさん。これからもよろしく。ユイユイ!
最後にレイソル選手達よ、サポーターの中には死と直面し、命をかけて応援している人がいるんだよ。(本人は望んでいないけど・・・。)
そのことを頭にいれて、戦って下さい。
俺達、死んでも柏レイソル!
2001年5月19日(土)、鹿島へ行って来た。
W杯用に改修されたカシマスタジアムのこけら落としの試合だ。
試合前のセレモニーでは鹿嶋市長をはじめ、地元の衆議院議員、県会議員、市議会議員、もちろんJリーグのチェアマンもやって来て、それはそれは華やかに行われた。
テープカットも皆さん一緒にカット。
新スタジアムは、そりゃデカくてキレイなんだけど、造りそのものは余りうらやましいとは思わなかった。
ただ、地元の鹿嶋市民が約3万6千人も集まって、新スタジアム完成を喜んでいるわけでしょう・・・。
それが、うらやましい。
おそらく新スタジアム建設の為に、地元の議員が相当動いたと思うんだよ。
またまた、それがたまらなくうらやましい。
なんで、人口30万人の柏市で、専用スタジアムを作ろうという先生がいないのか?
「問題は金」なんて言うけれど、それだけじゃないよ。
改めて柏市のサッカーに対して、いや、スポーツ文化に対しての意識の低さをしみじみと感じたよ。
人間形成の上でスポーツの大切さを、もっと考えてもらいたいよ。
そりゃ、ゴミ焼却場や常磐新線も大事なんだろうけどよ・・・。
また同時に柏市民にも訴えたい。
テメエの住んでいる街に、プロサッカーチームがあるという幸せを感じてもらいたいな。
なんかさぁ、まあ全部が全部ってわけじゃないんだろうけど、鹿島って所はさ、市全体で新スタジアム完成を喜んでいるって感じがしたんだよな。
そう思うと、柏市ってちょっと寂しいよな。
さて、気分を変えて、こけら落しでの出来事を紹介します。
題して『またまた落ちてしまったUさん(仮名)』
このUさん、ヒゲ面に眼鏡の風貌から通称「ヒゲだるま」と呼ばれている。
今回は、このヒゲだるまさんのお話しです。
それは、試合後半、同点に追いつたその矢先です。
彼は、喜び勇んで最前列の手摺りまで走り、またがったのです。
しかし、勢い余って、そのまま約2m下のピッチまで、ドスンと胸から落下。
その瞬間、雨で濡れたピッチから水しぶきが3mは上がり、我々の頭にかかったのです。
バッシャーン。
彼の眼鏡のレンズが割れ、打ち所が悪かったのか、体がくの字に曲がっているではありませんか。
走りよる警備員に首根っこをつかまれながら、
「だれかが、だれかが押したんだって、俺は悪くネェ・・・」
と山形なまりで必死のいい訳も通用せず、そのままどこかに連れていかれました。
俺はたまたま、落ちる瞬間を見ていました。
確かに、ヒゲだるまさんが言うように押した奴がいました。
というより、そいつがつまづいて、つんのめった所にヒゲたるまさんがいたというのが正しい表現でしょう。
これはサッカーの流れの中での出来事ですから、どうしょうもないでしょう。
防ぎようもなく惨劇は起こってしまったのです・・・。
その犯人も動揺したのでしょう。
「何やってんですか、あんた、人が落ちたじゃないですか・・・」と横に居た警備員につめよる始末。
自分で押したんジャン・・・。
でもヒゲだるまさん、許してやってね。わざとじゃないから。
でも、本当に良く落ちるなぁ・・・この人は・・・。
スタンドから落っこちるの、今回が始めてじゃないんだよ。
もう何回目だろう・・・、数を数えたら切りがないくらい。
大げさでなく、とにかくよく落ちるのよ。
まぁ、2、3代表的な例を書くわ。
日本がW杯初出場を決めた地、そうマレーシアのジョホールバル。
外国のスタジアムだぜ。
そこでピッチに落下したのだ。
いや、落下というより、その時は確信犯的に乱入したのだ。
岡野のVゴールで試合が決まり、スタジアム中の観客がピッチになだれ込む、とヒゲだるまさんは思ったのであろう。
いち早く金網を越え、ピッチになだれ込んだヒゲだるまさんは、素早く駆け寄ってきた警官3人に羽交い締めされ、一瞬のうちに身動きの取れない状況になってしまった。
さらに、両腕をしっかり押さえられた状態のまま警棒でタコ殴りにあったのだ。
一緒に行っていて、その現場を見た連中が曰く、まるで、W杯初出場おめでとう・・・ということで、気をきかせた現地の警官が、日本の伝統芸である和太鼓の乱れ撃ちのパフォーマンスを、選手やサポーターに見せて歓迎しているんだと思ったんだって。
でもね、良く見ていると、その和太鼓から
「誰かが、誰かが押したんだって、俺は悪くネェ・・・」
という山形なまりの声が聞こえてくるではありませんか。
そうヒゲだるまさんですよ。
彼は眼鏡が壊れて、服もボロボロ、体はくの字に変形。
そのまま、ズルズルと引きずられながら警察に連行となった。
その後、4時間みっちりしぼられて釈放。
ホテルに戻ってからも、
「誰かが、誰かが押したんだって、俺は悪くネェ・・・」
と山形なまりで繰り返し、誰に聞かせるでもなく朝までつぶやいていたそうだ。
また、一昨年のシドニー五輪予選。超満員の国立競技場だよ。
日本に点が入るやいなや、ゴール裏の中央通路の手摺りにまたがろうした。
ところが、勢い余って手摺りから転落。
そのまま5〜6列下の客席まで転がり落ちてしまったのよ。
当然、そこにいた客は怒るわ。
そりゃーそうだよね、彼女と一緒にサッカー観戦としゃれ込んでいたら、いきなり上段からヒゲだるまさんが落ちてきたんだから。
「何しやがるんだ、このヤロー」という声がするないなや、集団リンチ状態。
5分後、眼鏡は壊れ、服はボロボロ、体はくの字に変形したヒゲだるまさんが通路に放り出されていた。
その時も、
「誰かが、誰かが押したんだって・・・、俺は悪くネェ・・・」
と山形なまりでつぶやいていたのよ。
かわいそうに虫の息だった。
そして最後にもう1つ、やはり国立競技場の日韓戦。
日本が点を獲って喜ぶ我々は、皆でヒゲだるまさんを胴上げしたのよ。
もちろん試合中の国立競技場のゴール裏で・・・。
しかし、勢い余って落としちゃったのよ。
グッシャって音がして、胴体はうつぶせ状態なのに、顔は空を見上げてんだから、もうオカルトの世界だよ。
いつも温厚で、怒った顔を見た事ないヒゲだるまさんだったが、さすがに、その時は怒ったね。
「下、コンクリートなのに・・・、頭打ったら死んじゃうんだからねぇ・・・」
と山形なまりで必死に訴えてたらしいんだけど、日本が五輪出場を決めた、おめでたい席でのことなのだから、そんなにムキになるなって逆に怒られちゃったのよ。
※本当に危険だから良い子はマネしないでように。
どんなにズタボロにされてもサッカーが好きなんだよな。
落ちても、落ちても、また来るんだよ。
やさしい人だよ、ヒゲだるまさんって。
だから、みんな好きなんだよ、あなたの事が・・・。
ゴール裏に欠かせないスタントマン、Uさん。これからもよろしく。ユイユイ!
最後にレイソル選手達よ、サポーターの中には死と直面し、命をかけて応援している人がいるんだよ。(本人は望んでいないけど・・・。)
そのことを頭にいれて、戦って下さい。
俺達、死んでも柏レイソル!