●Go!Go!唐獅子牡丹
【みゃ長の独り言】
開幕戦は4-0の快勝。とても気分がよい。
さて、その開幕戦のゴール裏に、花輪が届いていたのを、皆さんご存知だろうか?
かの米国大統領、ジョージ・ブッシュからの花輪である。
その花輪、各方面からのウケがとっても良かった。
今回は、その花輪の話ではなく、その花輪の陰に隠れてしまったネタの話です。
いやあ、アレを見たのはいつの頃だろう。
そう、12年前、忘れもしない駒場で行われた浦和戦だった。
赤い布地に黒い色で、革命家チェ・ゲバラの顔が描かれているでっかい旗。
それはとても衝撃的だった。
そいつを見た時、正直、格好良いと思ったね。
そして思った。いつか俺達もあんな大旗を作りたいと・・・。
今のJスタジアムでは、あっちこっちでゲバラ、ゲバラと、やたらゲバラが目に付く。
しかし俺は思う。それは、浦和さんの特許ってもんじゃないのかねえ。
俺の(ゲバラのように)絵になる男探しは、その時から始まった。
去年の夏のことだ。
吾郎ちゃんの職場に遊びに行ったとき、そのことを相談した。
「絵になる男の顔がアップになった、でっけえ旗を作りたいんだよね、太陽とRYKNの象徴みたいな、浦和のゲバラっぽいのを作りたいんだよ、誰か格好良くて、カリスマ性があって、リスペクトできる男いないかね?」
「いるよ・・・」吾郎ちゃんは、ポンと手を叩き、即答であった。
流石、吾郎チャン。
12年間、絵になる男を捜していた俺は、こうもあっさりと回答する吾郎ちゃんに驚いた。
「ゲバラに対抗できる日本人っていったら、やっぱ東条英機でしょ」
「げっ」
確かに写真で見たことあるし、絵にしやすいし、俺達らしくていいんだが、ちょうど世間が靖国参拝反対だ何だと騒いでいる中、この人は恐れを知らないのか。
そんな大旗を掲げたら、柏レイソル自体がアジア近隣諸国に睨まれるような気がしたし、そちらのほうから帰化している選手もいるしなぁ・・・。
「うーん、他、誰かいない?戦争に関係ない人で・・・」
「では世界に通じる文化人でいきましょうか」
次なる候補までもが即答であった。一体、誰なんだろう?
「世界の黒澤明!」
世界的有名な映画監督だ。
いいね、常に意表を突く俺達らしくて、いいんじゃないの。
が、しかーし、帽子にサングラスの風貌は、遠くから見ると大黒ラーメンの親父に見えるのでボツ。(地元ネタでごめんなさい。)
次に候補にあげたのが「三輪美宏!」
戦う気持ちが萎えるので、ボツ。
「カレッカ」
レイソルでカレカはベタベタだろ、ボツ。
「スティーブン・スピルバーグ」
なんじゃそりゃ、ボツ。
「フランシス・コッポラ」
なんで、また映画監督なのよ、ボツ。
「力道山」
一度ネタで使っちゃたから、ボツ。
「ロッキード事件の小佐野賢治」
実刑受けちゃった人はちょっと・・・、ボツ。
「三億円事件の犯人」
だから犯罪者はダメだって。しかも、モンタージュ写真だろうが、ボツ。
別にいま決めなくてもいいかと思い大きく溜息をつき、ふと手元にあったスポーツ新聞に目をやると、古い映画がDVDになったと言う広告を目にした。
その映画は『唐獅子牡丹』だった。(コテコテのヤクザ映画です。)
その広告に出ていた男、鋭く光る目は天を睨む、口は半開き、男の象徴である角刈り。
そして何と言っても、絵になり、泥臭く、俺達らしい。
おいおい、コレじゃないの、探してたのは、この御方じゃありませんか。
そう、その御方とは日本を代表する俳優、高倉健その人であった。
こいつだ、健さんで大旗を作ろう。
俺の気持ちは固まった。
さっそく製作にとりかかろうとも思ったのだが、その時点では既にシーズンも半ばを過ぎたので、せっかくのお披露目は来年の開幕にしようと心に誓ったのであった。
そして、年が明けての1月、早速、製作に取りかかった。
他の太陽、RYKNのメンバーにも手伝ってもらい、段取り良く1日で健さん大旗は完成したのでありました。
3m×3mの黄色い布に描かれた健さんが、今にも「死んでもらいます」としゃべり出しそうであった。
その健さんの顔の横には、千社札が二枚。
そこには「(勇)太陽工務店」と「RYKN」と描かれているのです。
サッカーと、どう関係があるのでしょうか?何の脈絡もありません。キッパリ。
義理と 人情を はかりにかけりゃ〜
義理が 重たい 男の世界
幼なじみの 観音様にゃ〜
俺の心は お見通し
背なで 吠えてる 唐獅子牡丹
(唄、高倉健)
今まで、太陽、RYKNの単独の大旗はあったけど、2グループ合同の旗はなかった。
長年抱いていた、太陽、RYKNでひとつの旗が欲しかったと言う願いがようやく叶えられた。
強い信念をもって行動すれば、必ず到達する。
今は出来ない事を、今後も絶対出来ない事と思わずに努力を怠るな。
そして、その報酬は、やり遂げたという達成感である。
うん決まった!
あとは開幕を待つのみであった。
相手チームに、健さんが「死んでもらいます」と睨みをきかせる。
この大旗はインパクトあって、絶対話題になるよ。
いいね、いいねー、なんて自画自賛しながらの帰り道であった。
ふと、16号沿いのパチンコ屋に目がいった。
そこには、新装開店を祝う大きな花輪が整然と並んでいた。
「なんか綺麗だな・・・、そうだ、開幕戦で花輪をゴール裏に飾ろう」
結果、開幕戦のゴール裏には「祝、J1開幕」と書かれた全長3mの花輪が、米国大統領、ジョージ・ブッシュから届けられたのだった。
その思いつきのネタが、意外にもあっちこっちのマスコミに取り上げられた。
さて、肝心の健さん大旗だが、あまりにも花輪のインパクトが強すぎて、いつ出したのかまったく気づかれないまま開幕戦を終えてしまった。
黄色い布に描かれた健さんが「死んでしまいました」とつぶやいていた。
まあ、得てして長い構想期間を費やして準備した笑いネタって、こんなものですよね。
まあ柏が勝ったんで、すべてヨシ!
開幕戦は4-0の快勝。とても気分がよい。
さて、その開幕戦のゴール裏に、花輪が届いていたのを、皆さんご存知だろうか?
かの米国大統領、ジョージ・ブッシュからの花輪である。
その花輪、各方面からのウケがとっても良かった。
今回は、その花輪の話ではなく、その花輪の陰に隠れてしまったネタの話です。
いやあ、アレを見たのはいつの頃だろう。
そう、12年前、忘れもしない駒場で行われた浦和戦だった。
赤い布地に黒い色で、革命家チェ・ゲバラの顔が描かれているでっかい旗。
それはとても衝撃的だった。
そいつを見た時、正直、格好良いと思ったね。
そして思った。いつか俺達もあんな大旗を作りたいと・・・。
今のJスタジアムでは、あっちこっちでゲバラ、ゲバラと、やたらゲバラが目に付く。
しかし俺は思う。それは、浦和さんの特許ってもんじゃないのかねえ。
俺の(ゲバラのように)絵になる男探しは、その時から始まった。
去年の夏のことだ。
吾郎ちゃんの職場に遊びに行ったとき、そのことを相談した。
「絵になる男の顔がアップになった、でっけえ旗を作りたいんだよね、太陽とRYKNの象徴みたいな、浦和のゲバラっぽいのを作りたいんだよ、誰か格好良くて、カリスマ性があって、リスペクトできる男いないかね?」
「いるよ・・・」吾郎ちゃんは、ポンと手を叩き、即答であった。
流石、吾郎チャン。
12年間、絵になる男を捜していた俺は、こうもあっさりと回答する吾郎ちゃんに驚いた。
「ゲバラに対抗できる日本人っていったら、やっぱ東条英機でしょ」
「げっ」
確かに写真で見たことあるし、絵にしやすいし、俺達らしくていいんだが、ちょうど世間が靖国参拝反対だ何だと騒いでいる中、この人は恐れを知らないのか。
そんな大旗を掲げたら、柏レイソル自体がアジア近隣諸国に睨まれるような気がしたし、そちらのほうから帰化している選手もいるしなぁ・・・。
「うーん、他、誰かいない?戦争に関係ない人で・・・」
「では世界に通じる文化人でいきましょうか」
次なる候補までもが即答であった。一体、誰なんだろう?
「世界の黒澤明!」
世界的有名な映画監督だ。
いいね、常に意表を突く俺達らしくて、いいんじゃないの。
が、しかーし、帽子にサングラスの風貌は、遠くから見ると大黒ラーメンの親父に見えるのでボツ。(地元ネタでごめんなさい。)
次に候補にあげたのが「三輪美宏!」
戦う気持ちが萎えるので、ボツ。
「カレッカ」
レイソルでカレカはベタベタだろ、ボツ。
「スティーブン・スピルバーグ」
なんじゃそりゃ、ボツ。
「フランシス・コッポラ」
なんで、また映画監督なのよ、ボツ。
「力道山」
一度ネタで使っちゃたから、ボツ。
「ロッキード事件の小佐野賢治」
実刑受けちゃった人はちょっと・・・、ボツ。
「三億円事件の犯人」
だから犯罪者はダメだって。しかも、モンタージュ写真だろうが、ボツ。
別にいま決めなくてもいいかと思い大きく溜息をつき、ふと手元にあったスポーツ新聞に目をやると、古い映画がDVDになったと言う広告を目にした。
その映画は『唐獅子牡丹』だった。(コテコテのヤクザ映画です。)
その広告に出ていた男、鋭く光る目は天を睨む、口は半開き、男の象徴である角刈り。
そして何と言っても、絵になり、泥臭く、俺達らしい。
おいおい、コレじゃないの、探してたのは、この御方じゃありませんか。
そう、その御方とは日本を代表する俳優、高倉健その人であった。
こいつだ、健さんで大旗を作ろう。
俺の気持ちは固まった。
さっそく製作にとりかかろうとも思ったのだが、その時点では既にシーズンも半ばを過ぎたので、せっかくのお披露目は来年の開幕にしようと心に誓ったのであった。
そして、年が明けての1月、早速、製作に取りかかった。
他の太陽、RYKNのメンバーにも手伝ってもらい、段取り良く1日で健さん大旗は完成したのでありました。
3m×3mの黄色い布に描かれた健さんが、今にも「死んでもらいます」としゃべり出しそうであった。
その健さんの顔の横には、千社札が二枚。
そこには「(勇)太陽工務店」と「RYKN」と描かれているのです。
サッカーと、どう関係があるのでしょうか?何の脈絡もありません。キッパリ。
義理と 人情を はかりにかけりゃ〜
義理が 重たい 男の世界
幼なじみの 観音様にゃ〜
俺の心は お見通し
背なで 吠えてる 唐獅子牡丹
(唄、高倉健)
今まで、太陽、RYKNの単独の大旗はあったけど、2グループ合同の旗はなかった。
長年抱いていた、太陽、RYKNでひとつの旗が欲しかったと言う願いがようやく叶えられた。
強い信念をもって行動すれば、必ず到達する。
今は出来ない事を、今後も絶対出来ない事と思わずに努力を怠るな。
そして、その報酬は、やり遂げたという達成感である。
うん決まった!
あとは開幕を待つのみであった。
相手チームに、健さんが「死んでもらいます」と睨みをきかせる。
この大旗はインパクトあって、絶対話題になるよ。
いいね、いいねー、なんて自画自賛しながらの帰り道であった。
ふと、16号沿いのパチンコ屋に目がいった。
そこには、新装開店を祝う大きな花輪が整然と並んでいた。
「なんか綺麗だな・・・、そうだ、開幕戦で花輪をゴール裏に飾ろう」
結果、開幕戦のゴール裏には「祝、J1開幕」と書かれた全長3mの花輪が、米国大統領、ジョージ・ブッシュから届けられたのだった。
その思いつきのネタが、意外にもあっちこっちのマスコミに取り上げられた。
さて、肝心の健さん大旗だが、あまりにも花輪のインパクトが強すぎて、いつ出したのかまったく気づかれないまま開幕戦を終えてしまった。
黄色い布に描かれた健さんが「死んでしまいました」とつぶやいていた。
まあ、得てして長い構想期間を費やして準備した笑いネタって、こんなものですよね。
まあ柏が勝ったんで、すべてヨシ!