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2007/10/24 水

J2回想録Vol.1 オフサイドトラッぶ

【みゃ長の独り言】

季節は秋、今シーズンも終盤にさしかかった。
このような状態でシーズン終盤をむかえるのは、何年ぶりだろうか。
優勝にも、降格にもからまないでシーズン終盤をむかえるのは・・・。
正直にいって、やはりどこか緊張感に欠け、マッタリとしてしまうものである。
俺達にとって、このマッタリ感というのは、とても危険なものである。
やはり思い出してしまうのが昨シーズンだ。
昨年の今頃の緊張感は、一生涯忘れることはできないであろう。
一試合ごと、勝つか負けるかで運命が大きく変わる、まさにサバイバル・レース。
俺達と選手、監督、フロント、柏を愛する人達すべてが一つになって目標へと走る。
今回は、J1昇格を争った昨シーズンの出来事をコラムにしてみました。
カッコイイ事を書くつもりもないので、ちょっと箸休め程度に読んでください。

あれは、三ツ沢での横浜FC戦。
前半も残りわずか、ハーフタイムになるかならないかの頃だった。
この時間帯によく見かける光景として、ハーフタイムでの便所の混みを避けるためなのか、早目に離席し、裏の便所に移動をする人がいる。
自然現象なので仕方ないことだと思うが、ウチのグループでは絶対に許さない!
終了のホイッスルが鳴るまでしっかり応援しろ!試合を見届けろ!
表立って声に出して言った事はないが、暗黙の了解というより、常識である。
試合前半途中から、俺の隣で応援している太陽メンバーのひとり、モントーヤ(仮名)の様子がおかしいことに気がついた。
顔は青ざめ、脂汗をかいている。
腹をおさえ、うつむき加減に体を傾け、でも、それでも必死に応援している。
「ピッピッ〜」
主審が吹くホイッスルの音ではなく、別の「ピッピッ〜」という音が隣から聞こえてきた。
その瞬間、モントーヤから「あっあ〜」という溜息も聞こえてくる。
たまにだが、俺の鼻の粘膜を硫黄の臭いがつついてくる。
しばらくして、正真正銘のハーフタイムの笛の音が鳴ると、脱兎のごとくモントーヤが走りだした。
その走りは、レイソルのチーム史上で一番の快足男、エジウソンのようだった。
人で混み始めた通路を、モントーヤは見事なステップでかわしながら抜いていく。
まさにエジウソン。
速い、速い、あとはゴールネットを揺らすだけ。
目指す先は、そう便所だ!
5分後、モントーヤが戻ってきた。
その顔は、まさにスッキリ、爽快、笑顔満面。
得点したときの、まさにエジウソン。
そんなモントーヤに声をかけた。
「おい、大丈夫か?無事、便器にゴールだったか?」
するとモントーヤがこう答えた。
「いいえ、オフサイドでした!」
(えっ、オフサイド・・・?)
その表情は、どうだーしてやったゾという顔だった。
まさに、ゴールを決めたあとのエジウソン。
(こいつ、試合中にクソもらしといて、なんでそんなにご満悦なんだ。)
そして、モントーヤが、自身満々に言い放った。
「前半で相手に点を取られ、レイソルがピンチの状況に俺の便意ごときで試合中に場を離れる、そんなことできますか!みゃ長!」
なんだかわからないが、叱れない。
夏の暑さが相成って俺達の周りは、秋の名物、ギンナンの香りで一杯になった。
その心意気、褒めてやる。
J2回想録は、まだまだつづく・・・・・・と思う。