<< J2回想録Vol.1 オフサイドトラッぶ | main | J2回想録Vol.2 イカレ頭でゴリ押し成就 >>

2007/11/13 火

挙動不審者ガンダム!?の逆襲

【みゃ長の独り言】

9月2日(日)のHitachiDayの企画として、ウチの若手が人文字を考案した。
その企画のために、何ヶ月も前から準備した。
そりゃ大変だった。
HitachiDay当日、『REYSOL』の文字が、国立のスタンドを鮮やかに映し出した。
そして、試合にも勝った。
俺たちは、6月に段階からHitachiDayに向けての企画会議を開いてた。
その場で俺は『巨大ロボが国立競技場に100体登場!』という企画を出したのだが、当然のごとく鼻さえ引っかけてもらえなかった。
えーい、耳ぐらいかせ、いや貸しやがれ。
ダメなら、耳たぶ・・・もう眉、マツゲならいいだろう・・・。
一応、別に見てくれなくれてもよいからと前置きをして、企画書も提出しておいたのだ。
その企画書の内容とは、
『まず、ダンボールを沢山集め、積木のように重ね、ロボットの形にします。
出来上がるのが、昭和三十年代によくみた、ブリキのおもちゃロボットの3メートル版。
お金は一切掛かりません!詳しい説明はできません!特に意味はありません!』
で提出したが、即消却された。
ロボットの絵まで描いたのに・・・・・・。
しかし、俺は諦めなかった。
いつか、いつの日か、巨大ロボをスタジアムに登場させる・・・と心に秘めていたのだ。
あれから月日はながれた。

ここ最近、柏レイソルが連敗中ということもあって気持ちがすぐれない。
こんな気分を飛ばすには、跳ぶ薬をやっているのか?と思われるような企画モノ、つまり笑いがほしい。
やはり笑いから試合に入りたいのである。
試合2日前の木曜日の夜に、俺は巨大ロボの製造にはいるべく、理工系大学出身の太陽メンバーであるモレル(仮名)に電話した。
「土曜日の試合で巨大ロボットを発進させるから、お前、NASAか筑波宇宙開発センターにいってロボットの材料調達してこい」
最初は、なんのことだかわからないモレルであったが、ようはダンボールを集める、そいつをロボットの形にする、とりあえずロボットらしく見せるために
耳の部分はジョウゴ、目に紙皿、頭の天辺にはアンテナらしい物をつけたいので百均でザルを買ってこいということを理解させるのに3分もかからなかった。
・・・でもサッカーの試合で何故ロボットなのか?ということは、この先、永遠に彼は理解できないであろう。
だって俺もわかんないもん。

翌、金曜日の朝であった、さっそくモレルから電話がきた。
「社長、今、松戸の青果市場に来てまして・・・・・・」
そこで、俺はカチンと頭にきて、言葉を途中でさえぎった。
「バッカ野郎〜、青果市場っていうな!NASAだろ!エヌ、エー、エス、エー、NASA!」と怒鳴った。
「すいません。今、NASAの果物部におりまして、ダンボ・・・・いいえ、超合金をどのくらい集めればよろしいかと思いまして・・・」
「沢山!当然、大きさを揃えてな。全長3メートル分!」といって俺は電話をきった。
その指令に忠実なモレルは、大体の設計図を頭に描き、その場で集めたダンボール・・・いや超合金をロボット型に積み重ねたそうです。
当然、市場の中だよ。
いい大人が市場の真ん中で、ダンボールをロッボト型に積上げていく様、想像してみてよ・・・。
その光景を御覧になられた市場の方々は、モレルをロボット工学者という見方をせず、<ちょっと危ない人>というような目でみていたそうです。
モレルは、その作業に悪戦苦闘し、何度もダンボールを積上げては崩し、積上げては崩しを繰り返したそうです。
さすがにモレル自身も、回りの目が厳しく自分に刺さっているのをヒシヒシと感じたそうです。
「科学者というのは、そういうもん!人から理解されないんだよ。俺はロボット発明家」とつぶやきながら、ロボット工学実験は進んでいったそうです。
しかし時間が進むと、<ちょっと危険な人>から<完璧に危険な人>と周囲の見方がかわったそうです。
市場の警備員が、警戒しながら探りを入れに来た。
刺激しては危険と判断したのか、まずはミカンを差し入れてくれたそうです。
ミカン2個の差し入れを、四人の警備員がモレルを囲むように持ってきたそうです。
なにかあったら、即確保の体制です。
マッドサイエンティスト・モレルの誕生であります。
いいえマッド・モレルの誕生でした。
その作業は半日かかったそうです。ご苦労様でした。

モレルが苦労して入手したロボットの材料は、その後、ある太陽メンバーの家(ムドウ(仮名)宅)・・・いえ、ロボット開発センターにいきなりアポなしで運ばれました。
入手した材料は、余分をみて超合金40箱・・・、いいえ40NASAであります。
いきなり40NASAもの材料を搬入されたムドウ君は、
「えー、いきなり、こんなにたくさんのダンボール・・・かんべんして下さいよー」
と泣き言をいったが、そんなことはおかまい無しだ。
どんなことにも、ヤナ顔ひとつしないで受け入れてくれるムドウ君・・・ありがとう。
さあここから、本当の苦労の始まりなのかもしれません。
よいよ、ロボット組立て作業であります。
土曜日のAM1:00から、数名のメンバーが集まり作業開始ということになりました。
科学の粋を結集した巨大ロボットは、なんと20分後には完成しました。
意外と簡単でした。
我々は遂にやった。
「なんかガンダムみたいですね・・・」と誰かがいった。
(どこが・・・?)
このロボット完成には、松戸の青果市場で、挙動不審者と怪しまれながら奔走したモレルの存在が欠かせない。
まさに、科学の粋を結集した、機動戦士ガンダムならぬ挙動不審者ミャンダム見参だ!
真夜中ではあったが嬉しさのあまり、ムドウ宅で作業に携わったメンバー6人で大きな声で歌ったのであります。

♪つみあが〜〜〜るだんぼ〜〜〜るミャンダム
 きょどうふしんしゃ〜〜〜ミャンダム〜〜ミャンダム〜〜♪

「ちょっと、近所から苦情くるから騒ぐのやめてー」
ここではじめて、ムドウ君が怒りました。

試合当日の朝になり、巨大ロボットをパーツごとにわけ、スタジアムに運びました。
開門までの時間を使い、最終組み立て、塗装もしました。
ここで思いつきで、ゲート旗用の棒を使い、腕を可動式にしたのであります。
これで『柏バカ一代』のとき、腕を可動させ、ミャンダムが踊ります。
そして開門となり、ついにゴール裏に巨大ロボットが登場です。
スタジアム内では、たくさんの方々から「くだらねえー」というお誉めの言葉をいただきました。
ありがとうございました。

巨大ロボ

さて肝心の試合のほうですが、そりゃ皆様御存知でありましょう。
負けに等しい結果であります。
当然のことながら、厳しく愛情をこめ、選手へ次につながる叱咤激励をいたしました。
引き上げる選手の背中をみつめる巨大ロボ・・・、寂しそうでありました。
当日は雨も降っており、このロボット持って帰るのめんどくせーと思った瞬間、
「・・・てっめえが悪いんだ!」
といって俺はロボットに襲いかかりました。
鬱憤が溜まっていたのでしょう・・・。
俺の他にも、7人から8人ほどのメンバーがミャンダムに襲いかかりました。
倒れたロボットに対して数人で殴る!蹴る!。
そのシーンがテレビに映ったそうです。
まるでゴール裏で乱闘をしているかのようにみえたそうです。
乱闘じゃありませんから。
少しだけではありますが、ストレス発散できました。
ありがとう巨大ロボ、さようならミャンダム!
きれいに折りたたまれたロボは、燃えるゴミとして柏の葉に置いてきました。
消えかかったスタジアムの照明にてらされる、ペシャンコになったロボ・・・・・・。

次、勝てよ!レイソル!