●J2回想録Vol.3 君の名は?
【みゃ長の独り言】
去年の出来事を思い出してコラムにする『J2回想録』のVol.3です。
ある日、吾朗ちゃん(仮名)から電話がはいった。
エライ慌てようだった・・・。
「うちのメンバーで、ヒコク(仮名)って奴が死んだらしいんだけど、どんな奴だかわかる?」
当然、ヒコクというのは本名ではない、アダ名である。
ちなみに、ヒコクとは被告からきている。
300人ほど存在するメンバーたち、そのほとんどにアダ名をつけているのだ。
似たアダ名もあり、顔とアダ名が合致しない事が少なからずある。
常日頃からアダ名で呼び合っているため、本名が分からないメンバーも多々いるのである。
まぎわらしいことに、中には普通の名前に似たアダ名もあり、すっかりそのアダ名が本名だと思っていたメンバーもいた。
正月に年賀状を出しても戻ってくる、・・・不思議に思い、そこで電話する。
「えー、それってアダ名だったんだ・・・」と正月そうそう発見ということは、毎年の恒例行事みたいなものであった。
話を戻す。
「えっ!ヒコクって死んだの?こないだの日曜日、あれほど元気に柏を応援してたのに・・・・・・」
と俺が驚き口調で吾朗ちゃんにいうと
「ウン、日曜日の朝、自宅で亡くなったって連絡あったんだけど・・・、えっ、試合って日曜日・・・?」
・・・いったい誰が死んだのか?
確認するといって吾郎ちゃんは、いったん電話を切った。
5分後、吾朗ちゃんから電話がはいった。
「どうやら、ヒコクではなく、ヒコクの友達のヒーコック(当然、これもアダ名です)らしいんだけど・・・」ということだった。
うーむ、もっと考えてアダ名をつけなければと反省した。
その晩、俺は吾郎ちゃんを含め仲間8人と、ヒーコックの御通夜へ行った。
何事もなく、ヒーコックの御通夜が行われている柏のとある斎場に到着したのだが、そこで大きな問題にぶつかった。
それは、ヒーコックの本名を誰も知らないということであった。
その斎場の会場は三つほどにわかれていて、○○家、△△家、××家と大きくかかれた札がそれぞれの入口にたっていた。
名前は分からないが、当然、ヒーコックの顔はわかるので、不謹慎は承知の上だが、一カ所づつ遺影を確認することにした。
一ヶ所目の会場。
「ご記帳、お願いします」
と促す○○家の受付をスルーして、俺たちは会場の奥の遺影を確認。
ニッコリ笑う老婆の遺影、すぐUターンだ。
二ヶ所目でビンゴ、見事に正解。
俺達は無事、焼香することができた。
「オマエだったんだ・・・」と焼香するとき吾朗ちゃんがつぶやいた。
遺影の写真は黄色を着ていた。
こいつの為にも、絶対に昇格する、いや、しなくてはならない・・・と一緒に御通夜にいった仲間全員が、心に強く思ったのは間違いなかった。
「ヒーコックの遺影を家族からかりてこい。来週の試合に連れて行くぞ!」と吾朗ちゃんが言った。
次節の試合、当然、勝利したことは書くまでもない。
そしてその後、やがてくる昇格の報告ができたのは、彼の四十九日の後だった・・・・・・。
去年の出来事を思い出してコラムにする『J2回想録』のVol.3です。
ある日、吾朗ちゃん(仮名)から電話がはいった。
エライ慌てようだった・・・。
「うちのメンバーで、ヒコク(仮名)って奴が死んだらしいんだけど、どんな奴だかわかる?」
当然、ヒコクというのは本名ではない、アダ名である。
ちなみに、ヒコクとは被告からきている。
300人ほど存在するメンバーたち、そのほとんどにアダ名をつけているのだ。
似たアダ名もあり、顔とアダ名が合致しない事が少なからずある。
常日頃からアダ名で呼び合っているため、本名が分からないメンバーも多々いるのである。
まぎわらしいことに、中には普通の名前に似たアダ名もあり、すっかりそのアダ名が本名だと思っていたメンバーもいた。
正月に年賀状を出しても戻ってくる、・・・不思議に思い、そこで電話する。
「えー、それってアダ名だったんだ・・・」と正月そうそう発見ということは、毎年の恒例行事みたいなものであった。
話を戻す。
「えっ!ヒコクって死んだの?こないだの日曜日、あれほど元気に柏を応援してたのに・・・・・・」
と俺が驚き口調で吾朗ちゃんにいうと
「ウン、日曜日の朝、自宅で亡くなったって連絡あったんだけど・・・、えっ、試合って日曜日・・・?」
・・・いったい誰が死んだのか?
確認するといって吾郎ちゃんは、いったん電話を切った。
5分後、吾朗ちゃんから電話がはいった。
「どうやら、ヒコクではなく、ヒコクの友達のヒーコック(当然、これもアダ名です)らしいんだけど・・・」ということだった。
うーむ、もっと考えてアダ名をつけなければと反省した。
その晩、俺は吾郎ちゃんを含め仲間8人と、ヒーコックの御通夜へ行った。
何事もなく、ヒーコックの御通夜が行われている柏のとある斎場に到着したのだが、そこで大きな問題にぶつかった。
それは、ヒーコックの本名を誰も知らないということであった。
その斎場の会場は三つほどにわかれていて、○○家、△△家、××家と大きくかかれた札がそれぞれの入口にたっていた。
名前は分からないが、当然、ヒーコックの顔はわかるので、不謹慎は承知の上だが、一カ所づつ遺影を確認することにした。
一ヶ所目の会場。
「ご記帳、お願いします」
と促す○○家の受付をスルーして、俺たちは会場の奥の遺影を確認。
ニッコリ笑う老婆の遺影、すぐUターンだ。
二ヶ所目でビンゴ、見事に正解。
俺達は無事、焼香することができた。
「オマエだったんだ・・・」と焼香するとき吾朗ちゃんがつぶやいた。
遺影の写真は黄色を着ていた。
こいつの為にも、絶対に昇格する、いや、しなくてはならない・・・と一緒に御通夜にいった仲間全員が、心に強く思ったのは間違いなかった。
「ヒーコックの遺影を家族からかりてこい。来週の試合に連れて行くぞ!」と吾朗ちゃんが言った。
次節の試合、当然、勝利したことは書くまでもない。
そしてその後、やがてくる昇格の報告ができたのは、彼の四十九日の後だった・・・・・・。