<< 観音様 | main | 弱った犬ほど注意しろ! >>

2008/08/05 火

コテならしでこいつを

【みゃ長の独り言】

皆様 お久しぶりでございます。
ワケありましてコラムアップできませんでした。
さあここから、まいりますよ。
まずは、コテならしでこいつを・・・。

俺が若いころです。
それは、何も考えることなく歩いていた頃でした。
何をやるのも、一歩踏み出すのに理由を、二歩目でいい訳を考えるといった感じで、今とは違い懐かしい頃でした。
考えなしの時代ではありましたが、その中でも学ぶことが沢山ありました。
あれは、そんな16歳のことでした。
「オイ、アツシを半殺しにした連中を見つけたぞ」
と叫びながら扉を開け、必死の形相で飛び込んできたのは、情報通の白石君(仮名)でありました。
その時、俺らは、伊藤君(仮名)の家にたむろしていました。
同い年の伊藤君は俺らのリーダー的存在でした。
(ちなみに、アツシ(仮名)も俺らの仲間の一人で、数日前に喧嘩で半殺しの目にあっていた。)

<そんな伊藤君のプロフィールをちょっと紹介します>
彼は俺と同じ16歳でしたが、中学卒業後、進学も就職もせず、毎日、家でゴロゴロしておりました。
たまに長期間、家をあけることがあります。
それは「青春反省休憩所」と本人は言っておりましたが、世間では「少年鑑別所」と呼ばれています。
鑑別所行きとなる原因は、喧嘩と暴走族です。
売られた喧嘩は当然「買う」のですが、伊藤君の「買う」は見境がありませんでした。
自分の実力を知らないのです。
だから一緒にいると、とてつもないトバッチリを受けるのです。
相手が何人居ようが、喧嘩を大安売りするのです。
まさにバーゲンセールです。
友達として一番始末に負えません。
お気に入りのお洋服を着て伊藤君と街に出かけ、喧嘩相手に何度お洋服を破られたことでしょう。
イッチョライなのに。
実力はさておいて、伊藤君の喧嘩前の口上には、素晴らしいものがございました。
また、仲間に対してのハッパのかけかたが上手いのでありました。
そのため、何度も何度も騙されたように一緒に喧嘩に赴いてしまうでした。
<プロフィールおしまい・・・>

「オイ、白石よ。相手は何人よ?場所どこ?まだそこにいんの?」と伊藤君が続けざまに質問します。
相手は30人ほど。場所は駅の東口。相手はまだいる。
・・・で、今現在、俺らは三人。
伊藤君、白石君、そして俺だ・・・。
いやな予感がする。
今日、僕は気に入っていた学生服を着ている。
喧嘩する→敗れる→破れる→高い、ダメだ、みんなを待とうと心で思う俺。
しかし、伊藤君は
「よーし、行こうかい」
と僕に告げると金属バットを俺に手渡してくれました。
そして自分はというと、16歳の少年の部屋にマッチしない木彫りの熊の人形を手に取り
「グリズリー(人食い熊)パンチだぜ」
と笑う伊藤君でありました。
鮭をくわえた北海道土産であります。
本当にソレ持ってくの?
武器は現地調達でもいいのに・・・。
やっぱりみんなを待とうと!心で必死で思う、いえ願う俺。
そんな俺に伊藤君は言いました。
「おい、今日は勝とうなんて思うなよ。死ぬぞ。正面から走りこんで思い切りひっぱだいてやろうぜ」
あなたと一緒の喧嘩で、勝つと思ったことはほとんどありませんよ。
でも、そのときの言葉と姿が、とても凛々しく今でも俺の記憶に残っています。
また、そのときだけは後先考えることなく、気持ちよく戦えた気がしました。
・・・が、しかし、あくまでも「気がした」だけで、現実は甘くはありません。
俺は、そのときの喧嘩で下顎の歯が折れ、今も抜けたままであります。
今回、そこにタバコを挟み一服したとき、当時の頃を思いだしたのでココに記したのであります。
「戦う」という意味が一つだけあったような気がしました。

さて、今週末、埼スタで浦和と戦います。
ご存知のように埼スタは浦和のホーム、そりゃ真っ赤でしょう。
凄まじいくらいのブーイングでしょう。
浦和の動員力には、いつも感服いたします。
数で勝とうなんて思うことなかれであります。
30人の相手に対し3人で殴りこんだ当時を思い出します。
結果を考えずに、死ぬ気で戦えということなのです。
超一流の二流チームの意地をみせてやりましょう。