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2008/10/08 水

乾杯から加速するバカ

【みゃ長の独り言】

馬鹿は死ななきゃ直らない?馬鹿は死んでも直らない!
バカが、ますます加速する。

それは大宮戦の二日前だった。オリックスの清原が引退した。
別に俺達とは関係ないが、どのスポーツ番組も清原の引退報道だった。
歌手の長淵ツヨシが『とんぼ』を唄い、引退式に華を添える。
そんな場面を何度もみていた。
「『とんぼ』もいいけど、やっぱ『乾杯』だな・・・」っとつぶやく俺であった。

柏といえば・・・ナカナカ勝てない。万博でもG大阪にやられ、とうとう尻に引火した。
次の大宮に負けたら・・・、なんて考えが不安を募らせる夜が続いていた。
「負けられない。次は勝つんだ。絶対に勝つんだ。全力、総力をあげろ」
と考える俺だったが、ある日の午後、太陽メンバーの白朗(仮名)が電話してきた。
「次の大宮戦は引き分けでイイ。誰もが勝利を欲しがるところだが、ヘタに勝ち急がないで0-0でもイイくらいの余裕をもとう」
ガッチガッチにならず、気負わず、まだまだ試合はあるので大丈夫!ということを俺に伝えてきたのである。
「そうだよ!そうなんだ!」
落ち込み気味の俺に元気を与えてくれたのである。
良い話は続くもんで、それから30分後に吾郎ちゃん(仮名)から
「これから、ゾクゾクするほど面白い試合が続くぜ」と同じようなタイミングで電話がきた。
そうなのだ。面白い、面白くするのだ。
馬鹿は死んでも直らない!
今度の大宮戦で、バカをますます加速するのだ。
ローからハイに、バカギアーをシフトチェンジするのだ。
・・・と気持ちを切り替え、いざ戦場である大宮へ向かうのであった。

実は大宮公園というところは、思い出の地でもあった。
あれは柏レイソルがJリーグ(今のJ1リーグ)に昇格した最初の年の春だった。
浦和レッズとの試合が、ここ大宮公園で行われたのだ。
ここ(大宮公園の便所。ちなみに俺は、ウンコした直後でした)で俺は、同じ中学の後輩であった白朗と十数年ぶりに出会い、「一緒に組んで応援しようぜ」と誘ったのだ。
そう、これが(勇)太陽工務店のスタートであった。
大宮公園は、太陽工務店の発祥の地でもあるのです。
その時、俺は洗わない手で握手したっけなぁ・・・。
思い出にふけっていると、早いもので開門である。
中にはいると、スタンドが改修され、なかなか良いスタジアムではないか。

ピッチでは、試合前のイベントとして結婚式をしているではないか。
「おめでたい」というのか俺は絶対にしたくないと思った。
新郎新婦にむかい俺は、トラメガで「結婚しようよ」と「三年目の浮気」を唄ってやった。
新郎が俺に手を振っている。
邪魔するつもりが感謝されてしまった。(まっいいか)
とっ、ここでひらめいたのだ。あばれ、はっちゃっく!
昨日、TVで見た清原の引退式で唄う長渕ツヨシだ。
そうだ!めでたいことには、『乾杯』がつきもの。
そう、カンパイで始まるものである。
今日は、柏バカ一代の前に、NACK5スタジアムのゴール裏に集まった柏サポーター全員で、乾杯をするのだ!
それも、試合前にだ!
すぐに、ゴール裏の一階席、二階席の柏バカ達に、そのことを伝達して回った。
これから始まる試合という披露宴に先がける乾杯のイメージである。
そう、試合を宴にするのだ。
まさしくバカの発想である。
しかし、これは博打である。
もし試合に負けでもしたら、当然、ネットで叩かれることだろう。
「バカが、試合前にのんきに乾杯なんかしやがって」と絶対に叩かれる。
「ハシャギすぎっからだよ!バーカ」と書き込まれるのは間違いないであろう。
(でも、俺ってパソコン持ってないから関係ないや・・・)
しかし、ローからハイにシフトチェンジしてしまったバカは加速するのみであった。

いよいよキックオフ10分前。柏バカ一代の時間である。
ゴール裏のセンターに立つ俺は叫んだ。
「本日は御忙しいなか、多数御集まりいただきまして誠にありがとうございます。間もなく我々にとってめでたい宴が始まります。が、その前に吉例でございます乾杯を行ないたいとおもいます。乾杯の御発声をしていただくのは太陽工務店代表であられます横山ミューレル様にお願いしたいと思います。それでは、横山様、お願いします」
と自分で自分を紹介した。そして一礼をして
「ただいま、ご紹介にあずかりました。横山ミューレルでございます。それでは、お手元のグラスをお持ちください」
と言うと二階席の隅々までのサポーターが、飲み物の入った紙コップやペットボトルを手にしてくれた。
それを見た俺は正直、こんなにも大勢のサポータがこんな馬鹿げた企画に付き合ってくれてアリガタイっと、心の底から思った。
「それでは、皆様のご多幸と柏レイソルの勝利を願いまして、乾杯ー!」と叫んだ。
その後を追うようにゴール裏のサポーター全員が「カンパ〜イ」と叫んだ。
その後、俺たちの唄う柏バカ一代が、大宮の街をつつみこんだ。
果たしてその影響なのか、試合はまさしく宴となった。まさに祝宴であった。
博打は吉と出たのだ。
村上君の前半でハットトリックという余興は素晴らしく皆を盛り上げ、菅沼君の40mドリブル弾が余興の最後を飾った。
久しぶりに試合後、レッツゴー柏を皆で唄い、再び、集まったサポーター3,000人全員で乾杯をした。
全てがうまくはまった試合であった。
だからといって次も、ってカンタンにはいかなのがサッカーである。
あー、札幌が楽しみになってきた。